子供を叱れない文化のシワ寄せ

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080313k0000m040148000c.html

福岡県田川郡内の公立中学校で、一部生徒による“授業妨害”が続き、校長と教頭が心労で体調を崩し休職や自宅療養する事態となった。管理職不在を避けるため、校長は今月1日に後任が着任した。生徒たちは2月末まで約1年間、校内の一室に“隔離”されていたが、現在は指導が事実上及ばない状態にあり、教育委員会は「混乱のおそれがある」として卒業式の14日、県警に警備の要請を検討している。 

まず一言。一部生徒の授業妨害だけで校長と教頭が心労で体調を崩したわけじゃないだろ。絶対。

特に隠すこともないので書きますが、僕の中学時代も結構荒れてました。僕の2つ上の世代から3年間が一番荒れていたのではないかとも噂されています。つまり、僕は中学校で一番荒れていたうちの最後の世代にいたというわけです。


どれだけ荒れていたかというとこんな感じ。

  • 非常階段で雑巾が燃えている
  • グラウンド脇の草むらが燃えている
  • 授業中に非常ベルが鳴り響く(酷いときは数日続けて)
  • 授業中、休憩中に関わらず廊下に教師が鎮座している
  • よく窓ガラスが割れる(もちろん故意に)
  • 駐車場で何かが燃えて警察がやってくる
  • 朝学校に登校したら窓ガラスが大量に割れている
  • 生徒が教師にカバンを振りかざし救急車沙汰になる

自慢できることじゃないですが、今パッと思いついただけでもこれくらいありました。それでも校長や教頭が休職することはなかったし、こんなに大きくニュースで取り上げられることもなかったです。僕は今21歳なので、5〜7年前くらいの話です。

じゃぁなんで今、大きくニュースに取り上げられているんだろうということです。ニュースの一番重要な部分は「悪い生徒がいる」じゃなくて「校長と教頭が心労で休職」という部分だと思うんですね。悪い生徒なんて昔からどこにでもいるだろうし、ニュースで取り上げられている行為だって昔からあったことだと思います。でも、校長と教頭が心労で休職してしまうことなんかなかった。だからニュースになったんだと思います。では何故こんな事態になってしまったのかということですよ。

確かに生徒は悪いですよ?もちろんそれはそう。でも今まではこんな悪い生徒がいてもなんとか事態は収拾していた。今は収拾がつかない。それは「子供を叱れない文化」が現在の世の中に出来上がってるからじゃないかと思うんですね。そしてモンスターペアレントの存在。

昔なら教師が生徒を殴るなり怒鳴るなりして無理矢理強制することができた。(まぁそれが良いか悪いかは別として)でも今そんなことをすれば職を失いかねませんよね。生徒を強く指導すれば保護者から文句がくる。今問題になってるモンスターペアレントですよ。

つまり、

  1. 悪い生徒が学校を荒らす
  2. 強い指導をしたいが保護者が怖いからできない
  3. 更に学校が荒れる
  4. 他の保護者から「何とかしろ」と言われる
  5. でも指導できない

の悪循環。

 1年生の保護者という40代の主婦は「校内は吸い殻が散乱しているし、荒れているのは事実。子供が巻き込まれないか心配でたまらない」と話した。

これは当然の意見です。でも違う見方をすれば・・・

色々なことの要因で作りあがってしまった「子供を叱れない文化」。そのシワ寄せが教師にきてしまった結果がこのニュースなんじゃないだろうかと思います。